第4回市民会議レポート
みやこちゃん
今回は、こどもとおとなが別々に話し合ったんだね。
博士
うん。午前のこども会議では、身近な『なんでかよ』にほかのまちの条例を当てはめてみて、実際に使えるかを試してみたんだ。午後のおとな会議では、困りごとが起きる背景や、変える必要がある環境を考えたよ。
みやこちゃん
別々に考えたことは、どうつながるの?
博士
こどもが困りごとに気づき、声を上げられること。そして、その声を受け止めるおとなや社会が変わること。両方がそろって、初めて本当に使える条例になるんだ。
会の概要
日時 2026年9月13日(日)
こども会議 10:00〜12:00
おとな会議 14:00〜16:10ごろ
テーマ 宮古島の条例に入れたいことを「見つける」
これまでの第1〜3回は、こどもの権利や条例の役割を「知る」時間でした。第4回からは、学んだことを手がかりに、宮古島で大切にしたいことを「見つける」段階へ進みます。
今回は初めて、午前をこども会議、午後をおとな会議として別々に開催しました。こどもの声をじっくり聞く時間と、その声を守るためにおとなや社会ができることを考える時間です。
- こども会議:身近な「なんでかよ」を他自治体の条例に当てはめる
- おとな会議:権利が守られない背景や、変える必要がある環境を考える
- 両会議:相談先や、声を受け止めて行動につなげる仕組みを考える

こども会議:条例を実際に使ってみる
こども会議では、世田谷区、泉南市、沖縄県の条例を読み比べました。目次や見出し、ふりがな、前文の言葉、条文の具体性などを確かめながら、「どこが読みやすいか」「自分の困りごとに使えそうか」を話し合いました。
世田谷区の条例は、ふりがながあり、かっこ書きや具体的な説明が分かりやすい。泉南市の条例は、前文の言葉がこどもの気持ちに寄り添っている。沖縄県の条例は、内容を広く捉えられる一方、少し抽象的に感じる。そんな気づきが集まりました。
こどもたちが大切にしたいと感じたこと
- こども自身が読んで分かる言葉で書かれていること
- 困りごとに関係する条文を見つけやすいこと
- 相談する人や場所、その後の動きまで具体的に分かること
- 「分からない」と感じる子を置き去りにしないこと
「なんでかよ」を、条例に当てはめる
続いて、宮古島で集めた「なんでかよ」カードから一つを選び、次の4つのステップで考えました。
条例に当てはめる4つのステップ
- ステップ1 どんな権利が関係しているかを考える
- ステップ2 ほかのまちの条例から、使えそうな条文を探す
- ステップ3 その条文を使うと、何ができそうかを考える
- ステップ4 それでも解決できないことと、宮古島の条例に必要な要素を考える
ここからは、グループで扱った三つのケースカードを紹介します。
ケースカード①「おとなの機嫌を、こどもにぶつけられる」
家は安心して休む場所のはずなのに、おとなの言葉や態度に気を使い続ける。それは、休む権利、安全に育つ権利、意見を聞いてもらう権利などに関係するのではないかと考えました。
一方で、相談したことが親に伝われば、状況が悪くなるかもしれないという心配も出ました。こどもが安心して話せる身近な人や、秘密を守りながら動いてくれる仕組みが必要です。そして、機嫌をぶつけてしまうおとな自身にも、仕事や生活の悩みを相談できる場所が必要ではないかという意見が出ました。
ケースカード②「昔からそうだから」だけで決められる
運動会や学校行事などで、「伝統だから」という理由だけで内容が決まり、こどもがやりたいことを言いにくい場面が挙がりました。昔から続いていることにも良さはあります。しかし、理由を確かめずに続けるのではなく、こどもの意見を聞き、みんなで話し合って決める手順が必要ではないかと考えました。
ケースカード③「お兄ちゃん・お姉ちゃんだから」と我慢させられる
生まれた順番だけでゲームやおやつを譲るよう求められることは、一人のこどもとして大切にされることや、差別されないことに関係します。条例に相談や救済の仕組みが書かれていても、「誰が、どこにいるのか」が分からなければ、こどもはたどり着けません。宮古島では、もっと身近で具体的な相談先を書いてほしいという声が上がりました。
みやこちゃん
条文を見つけられても、そこからどう動けばいいか分からないことがあるんだね。
博士
そうなんだ。権利の言葉があるだけでなく、安心して相談できて、誰かが受け止め、必要な行動につなげるところまで考える必要があるね。
おとな会議:困りごとの背景を見つめる
午後のおとな会議では、こどもの権利が守られないとき、その背景に何があるのかを考えました。個別の聞き取りから得た三つの事例をもとに、「なぜ起きているのか」「どんな当たり前や思い込みが隠れているのか」「本当はどうしたいのか」「そのために何を変える必要があるのか」をグループで掘り下げました。

属性だけで、原因を決めつけない
ひとり親で夜に働く家庭の事例では、「ひとり親」「夜間就労」という言葉だけで、家庭に悪いイメージを持ってしまう危うさが指摘されました。登校しぶりなどの様子には、入学直後の環境の変化、発達の特徴、家庭で担っている役割など、いくつもの背景が考えられます。
一つの情報だけで判断せず、時間をかけて話を聞き、いろいろな角度から状況を見ること。学校を安心できる居場所にすること。そして、担任一人に任せず、学校全体や行政を含めて支えることが大切だという意見が出ました。
こどもを守るには、おとなを支える視点も必要
飲酒をきっかけに家庭で暴力が起きる事例では、仕事、お金、夫婦関係、子育てなどのストレスに加え、「男性は弱音を吐いてはいけない」「親はしっかりしていなければならない」といった固定観念が、相談しにくさにつながっているのではないかと考えました。
自分の気持ちを言葉にする力や、自分を大切にする感覚をこどもの頃から育てること。おとなも安心して本音を話せる場所をつくること。学校や家庭だけでなく、事業者や職場も子育てしやすい環境づくりに関わること。こどもの権利を守るための視点が、社会全体へ広がりました。

別々に話したから、見えてきたつながり
こども会議では、「困りごとに関係する権利は見つけられても、その先の相談や行動が見えにくい」という声が出ました。おとな会議では、「こどもが権利を守ってほしいと願い、行動しても、おとなや環境が変わらなければ解決できない」という議論が深まりました。
開催時間は別々でも、二つの会議で見えてきたことはつながっています。
- 分かること こども自身が読んで、困りごとと権利を結びつけられる
- 相談できること 身近で安心でき、秘密も守られる相談先がある
- 受け止めてもらえること 声を聞く人と、必要な支援へつなぐ人がいる
- おとなや環境も変わること 家庭、学校、職場、地域がそれぞれの役割を考える
- 決めつけないこと 属性や一つの出来事だけで判断せず、背景を丁寧に見る
みやこちゃん
こどもが声を上げるだけでは、足りないんだね。
博士
うん。その声を受け止めたおとながどう動くか、学校や地域、職場がどう支えるかまでつながって、条例は初めて『お守り』や『盾』になるんだ。
条例づくりで大切にしたいこと
- こどもが読んで分かり、自分の困りごとに使える条例にすること
- 相談先の名前だけでなく、誰に、どう相談し、その後どうなるかを分かるようにすること
- こどもを支えるおとな自身の悩みや、働く環境にも目を向けること
- 家庭の形や立場だけで決めつけず、一人ひとりの状況を丁寧に見ること
- こどもの声を、家庭・学校・地域・職場の変化につなげること
今回の市民会議では、「こどもの権利を書く条例」から一歩進み、こどもが実際に権利を使えるように、相談、支援、行動、見直しまでどうつなげるかを考えました。
こどもとおとな、それぞれの立場から出た気づきを重ねながら、宮古島の暮らしに合った、温かく、使える条例を形にしていきます。
あなたの声も、条例づくりの一歩に
市民会議の内容を読んで、どんなことを感じましたか?
「これ、大事だと思う!」
「条例にこんなことを入れてほしい」
「ここがよく分からなかった」
「なんだかモヤモヤする…」
どんなことでも大丈夫です😊
あなたの小さな気づきも、宮古島の条例をつくる大切な声のひとつです。
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